夫婦でフリーランスのデザイナーユニットクラのこを始めて2ヶ月が経過。2017年は変化の多い年となったので、忘れないよう書き留めておきたい。世間との接点を増やすためにこのブログを作ったことは前回書いた通りなので、それ以外について。
「クラのこ」とは
うちは、フリーランスのデザイナー2人(夫婦)が屋号を立ててデザインやコーディングをやっている。どちらもwebから印刷物まで大概のことはできるので、案件によって「どの部分をどっちがやるのか」決めて制作している。例えば、妻がAdobe XDでワイヤーとデザインラフを作っているのを見ながら、僕が横でWordPressテーマを作る。妻がLightroomでRAW加工している間に僕がIllustratorで印刷物のレイアウトや文字組を完成させるなどなど(得意分野や趣向はクラのこのAboutページ参照)。
先にフリーランスとして5年活動していた妻を追って、社員デザイナーを4年半勤めた僕が独立し、その際に2人で組んでやることにした。2人の名義で行う活動がどれで、いわゆるソロ活動がどれなのかを明確にしている。
生計の立て方が変わった
僕の収入が年俸制からフリーとなり家計が不安定になるかと思っていたけれど、ありがたいことに「独立する!」と言った瞬間から依頼が来ていたので仕事に困ることはなかった。多すぎて、後輩デザイナーにお願いしたりもした。ほとんどの依頼が前職の繋がりから。社員時代の評判が生活を支えてくれているのは間違いない。
依頼主は、信頼して任せられるかどうかを重視していて、どこの馬の骨ともわからない人に頼むことがどれだけコミュニケーションロスが大きく仕事自体がつまづくリスクを抱えているかを理解している。見積もりは、お互いに妥当だと思える額でにぎり合う(やることやらないことを決める)だけの話なので、指名で仕事を任されることは重要だと思う。
通勤が無くなり健康になった
会社への通勤が無くなりとても健康になった!僕のストレスの大半はそこに集中していたので、ほとんどの悩みが解決したと言っていい。webがこれだけ発達したのに工場勤務するかのごとく毎朝集結していることには昔から疑問を持っていた。風潮や体裁に縛られている企業には同情するけど、健康を害してまで付き合う義理もない。号令がかからなくても、会いたい人とだけ会えばいい。
平日を使えるようになった
役所・銀行・病院。このあたりのサービスを平日まともに受けられるようになった。むしろ、会社に行きながらサービスを受けるのは厳しいものがある。わざわざ有給取って役所に行くという面倒なことをやっていたけど、やっぱりおかしい。サービスを行う側(役所・銀行・病院)と受けたい側(平日働いている人)のすれ違いっぷりは凄まじく、互いに見ないふりしてる感さえある。
時間の密度が濃くなった
独立して2ヶ月だけれど、半年以上は経っている気がする。それだけ多くのデザイン・コーディングを行ったというのもあるし、実際に通勤が無くなったことで1日3時間(2ヶ月で120時間?)は使える時間が増えていたので、あながち気のせいでもないのかもしれない。
ただ、前職のつながりとはいえ仕事の大部分が新規取引だったため、ほとんどの時間を仕事に割いてしまった。最初なので仕方がなかったけれど、今後は働きすぎないように気をつけないといけないと思った。幸い、夫婦で活動しているから家族で過ごす時間は充実し、愛猫も毎日嬉しそうにしている。
道具の制約が無くなった
プライベートで自作ライブラリ(Yaku Han JPなど)を作ったりはしていたものの、メイン機は会社のPCだったのでツールの制約には不満があった。デザイナーでもWin7だし、クラウドを解するサービスは軒並み禁止。話題になるツールは横目に見つつ家に帰っていじる程度だった。そこからの開放感はすごい。
自分のMacbook Proにすべてを投じることができるようになり、Adobe CCは即行でフルパッケージ契約、使えなかったクラウドサービスも解禁。タスクランナーをはじめとした開発ツールのアップデートも目覚ましい。むしろ、全部使える状態でどこまで作れるのかが問われることになった。
振り返りをまとめると
ここまで色々と書き出してみて、大きく分けると2つの結果を得られたことが振り返られた。
1つは「理不尽なシガラミから解き放たれた」こと。これはある程度予想していたし、それを望んで独立した面が大きいので良かった。満員電車で通勤することが二度と無いかと思うと心の底からホッとする。
もう1つは「独立しても人間関係は途絶えず、支え合って生きていくことに変わりはない」という実感が最初から得られたこと。フリーランスデザイナーとは言っても、不特定多数を相手にする仕事ではないので、依頼する方もされる方も人として信頼できる相手を頼る。会社という枠組みを取り払うことで顕著になった。
今後も、自由な活動を楽しみながら周囲の信頼に応えていきたい。
☆この記事は「フリーランス Advent Calendar 2017」3日目として参加しています