後輩には同じ苦労をさせなくてもいい

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デザイン部署に勤務していた頃、「後輩にも同じ苦労をさせたほうがいいのだろうか?」という話を先輩としたことがあった。色々と実践してみて、今は「まったく同じ苦労はさせなくてもいい」と考えている。

環境が変化しているから

会社全体で残業規制が行われ、新人も自分たちも定時にきっちり帰らされていた。セキュリティ上、仕事は持ち帰れないので過度な負荷もかけず、ホワイトな環境になったわけだけれど、逆にルーチンワークと化した日々で成長させられているのかを僕らは疑問に思っていた。

業務にかこつけて「ムチャクチャなデザイン研究をやっては腕を上げる」みたいな時間の使い方を会社でやるのが難しくなった。近年は、時間を計画的に捻出しなければならない。過去にやっていたことをそのまま後輩にやらせようとすると無理が生じるので、別の方法を考えて実践した。

より先に進むためにコツを教える

僕は、苦労して学んだコツを初っ端から惜しまず教えていった。基礎教育やつまづきの解消を考えうる限り最速で終わらせ、トレンドのキャッチや検証に注力。結果的に、僕の後輩は半年で頼り甲斐のあるクリエイターになった。前途の通り時間の制約があったし、業界のトレンドより遅い教育では互いにダルくなるだろうと予想していたから。

半年そこらのメンバーが教育者と同じ土台で課題に挑戦するようになり、チームとしてより先に進めるようになったと思う。苦労させるなら、自分たちがつまづいたポイントよりも先(または別ルート)でつまづいてくれた方が有益なので、先輩の苦労をなぞるような苦労はさせなくてよかったと言える。

向き不向きは考慮する

スキル面と同時に「自分で考える力をつけさせたい」という話もあるけれど、そこは向き不向きがあると考えている。実際、スキルがついたから自分で考えてやってみよう的なミッションを渡した途端に荒れたメンバーもいたし、できると言い張って失敗を連発したメンバーもいた。

作業を上手くこなすことや、他の人のサポートで力を発揮する人は多いのだけど、得てしてエレベーター式のキャリアアップ像に囚われて道を見失っている印象。主体性を引き出したりやモチベーションをコントロールする方法は人それぞれなので、気をつけたい部分。

同じでなくていい

結論としては、時代も進んでいるので、後輩には自分たちがつまづいた場所より先に行ってもらって、加えて言うと素養に合った方向に進んでほしい、ということ。教える側としては、後輩に「まったく同じ苦労」はさせる必要ないと思うので、最短でちゃんと学び進めるように知恵はまとめておこうと。

そういうわけで、こういうブログを書いたりライブラリ作ったりしていることに繋がる。